米Sun Microsystemsは,教育/研究機関に対してシン・クラアント用サーバー・ソフトウエア「Sun Ray Server Software 3」とシン・クライアント「Sun Ray 170」を割り引き販売する。Sun社が米国時間2月16日に明らかにしたもの。

 Sun Ray Server Softwareは,シン・クライアントにサービスを提供するためのサーバー。Solaris Operating System(OS)とLinuxの両方で動作し,Sun Java Desktop System, release 2,Red Hat Advanced Server 3(32-bit),SuSe SLES 8(32-bit)に対応する。「Linux環境をデスクトップでも利用したいと考えているユーザーは,Sun Rayクライアントを選択肢にできる」(同社)

 クライアントとやり取りするデータは暗号化する。パケット盗聴やマルウエア動きを阻止し,キーストロークや通信からパスワードなどが漏れるのを防ぐ。旧版に対し,Solaris OS向け周辺機器の対応強化と,利用する通信帯域幅の削減も図った。

 教育/研究機関は,20シート・ライセンスを99ドルで,1サイト・ライセンスを2400ドルで購入できる。通常価格は1シート当たり99ドル。

 Sun Ray 170はデスクトップ向けシン・クライアント。17インチ型TFT液晶ディスプレイを備える。前モデルの「Sun Ray 150」に比べ,解像度が56%,視野が36%向上したという。期間を限定し,教育/研究機関に1台750ドル(米国外では地域によって異なる)で販売する。通常価格は1049ドル。

 また同社は同日,米Tarantellaの分散環境構築ソフトウエア「Tarantella Secure Global Desktop Enterprise Edition 4」を提供すると発表した。

 同ソフトウエアを使用すると,Linux/UNIX/Windows上で動作しているアプリケーションに対し,Webブラウザからアクセスできるようになる。アプリケーションの改造は不要で,サーバーおよびクライアントに新たなソフトウエアをインストールする必要もない。通信を暗号化するので,インターネット経由のアクセスも可能。「自宅から業務を処理できる柔軟性をより多くの従業員に提供でき,企業の満足度と生産性が大きく向上する」(Sun社)

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「2007年のシン・クライアント出荷台数は全世界で340万台に」,米IDCの調査

[発表資料(教育/研究機関向け割り引き)]
[発表資料(Tarantella Secure Global Desktop Enterprise Edition 4)]