米EarthLinkは,スパム対策(CAN-SPAM)法に基づいて1月にアトランタ州の連邦裁判所において4件の訴訟の申し立てを行なった。同社が米国時間2月8日に明らかにした。カリフォルニア州,フロリダ州,ネバダ州,ワシントン州の被告が提訴された。

 同社は,これまでの訴訟と同じように,裁判所が被告に対してスパム送信の停止命令を発行することと,被告によるEarthLink社に対する賠償金の支払いを求めている。

 同社は,被告がCAN-SPAM法以外にも,コンピュータ詐欺濫用防止法(Computer Fraud and Abuse Act),ジョージア州コンピュータ・システム保護法といった州法および連邦法に違反する行為を行なったと主張している。

 訴訟でCAN-SPAM法違反として挙げられている主な内容は次の通り。

・差出人(Fromアドレス)を偽るスプーフィング

・物理アドレスの隠ぺい

・件名を偽った電子メール

・虚偽のヘッダー情報

・受信拒否を電子的に手続きする手段の欠如

・送信元の隠蔽

・辞書攻撃によるランダムな電子メールを生成するプログラムの使用

・スクリプトによる複数の電子メール,オンライン・ユーザー・アカウントの登録

 カリフォルニア州とネバダ州の訴訟では,被告が2004年にCATV解読機と不正な大学学位を宣伝するスパムを送信したとしている。スパムの数は10万通に上るという。また,被告がEarthLink社のスパム・フィルタを回避するために長いテキストを自動的に挿入するプログラムを利用したと主張している。

 フロリダ州の訴訟では,プリンタのディスカウントを宣伝するメール,ワシントン州の訴訟は,ポルノ・サイトを宣伝するスパムを被告が送信したと主張している。

 EarthLink社は1月に,スパム送信者2人を相手取ったアラバマ州の訴訟で「勝利を収めた」と発表している。被告の2人は,裁判所が命じたスパム・メールの送信停止とEarthLink社に対する賠償金の支払いに合意したという。それ以外にも,8億2500万通のスパム・メールを送付した通称「Buffalo Spammer」に対する訴訟で,1640万ドルの賠償金を勝ち取っている。

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