米Sun Microsystemsは米国時間2月1日に,ユーティリティ・コンピューティング推進に向けた新サービス「Sun Grid」などを明らかにした。「企業がITインフラを選択,取得,使用する手法を大幅に簡素化するためのソリューションを提供する」(同社)としている。

 Sun Gridは,1時間あたり1CPUを1ドルで提供する「compute utility」と,1カ月あたり1Gバイトを1ドルで提供する「storage utility」を用意する。今後数カ月で,デスクトップ・パソコン向けや開発者コミュニティ向けの新サービスを追加する予定である。Sun Gridを導入する顧客は,Sun社の設備,リソース,SPARCおよびx86搭載システム,ソフトウエア,「Solaris 10 OS」などを,「必要とする分だけ」(Sun社)利用できる。

 同社は世界各地に「Sun Grid Center」を展開する計画を進めており,まず年内に,バージニア州,テキサス州,ニュージャージー州,そしてカナダとスコットランドでセンターを開設する。

 Sun社はまた,サーバー向けJavaシステム「Java Enterprise System」を市場別に構成した「Sun Java System Suites」も発表した。「Java Enterprise Systemの技術を,より簡単に適切な組み合わせで導入できるようにする」(Sun社)。料金は従業員1人につき年間50ドル。ちなみに最新のJava Enterprise System Release 3の料金は,従業員1人につき年間140ドルである。

 Sun Java System Suitesの初回製品群は以下の通り。

・「Sun Java Application Platform Suite」:サービス指向アーキテクチャ(SOA)ベースの設計,開発,導入,管理を支援
・「Sun Java Availability Suite」:ミッション・クリティカルなアプリケーションのQoS管理を支援
・「Sun Java Communications Suite」:コラボレーションや生産性向上を目的としたコミュニケーションを支援
・「Sun Java Identity Management Suite」:認証情報の安全な管理,共有,使用を支援
・「Sun Java Web Infrastructure Suite」:Webアプリケーション・インフラの管理を支援

 また同社は,Solaris 10 OSの無償提供を開始したことを明らかにした。同社Webサイトからダウンロード可能。

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