米3Comが米国時間12月13日に,セキュリティ・ベンダーの米TippingPoint Technologiesを買収することで両社が合意に達したことを発表した。買収総額は約4億3000万ドル。取引は,3Com社の2005会計年度第3四半期に完了する予定。

 3Com社は,TippingPoint社の発行済み株式1株当たり47ドルを現金で支払う。「12月10日の終値より13%高い」(3Com社)という。取引完了後,TippingPoint社は3Com社の一部門となり,現TippingPoint社CEOのKip McClanahan氏が同部門プレジデントに就く。

 TippingPoint社はネットワーク・ベースの侵入防止システム(IPS:Intrusion Prevention Systems)を手がける未公開企業。大規模企業,政府機関,サービス・プロバイダ向けに,音声およびデータ通信のアプリケーションやインフラ保護,パフォーマンス確保のための手段を提供する。テキサス州オースチンに拠点を置き,約125人の従業員を抱える。

 3Com社はTippingPoint社買収により,大企業向け製品を拡充し,安全な統合ネットワーク向けの取り組みを推進する。また,TippingPoint社のIPテレフォニに関するノウハウを,自社のVoIP製品に取り入れる。

 3Com社CEOのBruce Claflin氏は,「3Com社の世界規模のリソースとインフラを利用し,TippingPoint社のすぐれたセキュリティ製品を提供することができる」と述べた。

 「ネットワーキング技術とセキュリティ技術は融合しつつある。統合ネットワーキング・インフラの普及が進むにつれ,汎用製品から,ニーズに合わせて構築したセキュリティ製品への移行が必至となる」(McClanahan氏)

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