カナダのNortel Networksと米Symantecは,ネットワーク・セキュリティに関して提携することで合意した。両社が米国時間12月7日に明らかにしたもの。「サービス・プロバイダや企業のネットワークで,ウイルスやワームの被害を防ぐソリューションを提供する」(両社)

 最初の取り組みとして,既存のスイッチ型ネットワークに実装可能な,高性能セキュリティ・エンジンのプロトタイプを共同開発する。Nortel社のアプリケーション・スイッチと,Symantec社のウイルス定義をアップデートする「LiveUpdate」技術を組み合わせる。「高速なスイッチ型ネットワークを導入しているデータ・センターなどは,攻撃がサーバーに到達する前に防止できる」(両社)とする。

 Symantec社によると,2004年前半に検出したウイルスとワームの数は,前年の同期間と比べ4.5倍以上増えたという。また,「Slammer」ワームは,拡散が始まった最初の3分間で,感染マシンの台数が約8.5秒ごとに倍増した。2001年半ばに蔓延した「Code Red」は,感染マシンの倍増ペースが約37分だったため,Slammerの増殖スピードはその250倍以上に達する計算になる。

 Nortel社社長兼CEOのBill Owens氏は,「サービス・プロバイダは,世界を取り巻く通信環境において,防御の第一線に立っている」と述べる。「Symantec社との提携を通じて,セキュリティの脅威にさらされているサービス・プロバイダや企業が必要とする専用ソリューションを提供したい」(同氏)

 また,Symantec社会長兼CEOのJohn W. Thompson氏は,「今日の脅威から身を守るには,ネットワーク・レベルでセキュリティを確保するなど,徹底した防衛が必要だ」と説明した。

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