米Dell,米EMC,米Intel,米Oracleの4社が,企業向けグリッド・コンピューティング・インフラ構築に関する活動「Project MegaGrid」を共同で進めると,米国時間12月7日に発表した。Project MegaGridを通じ,グリッド用インフラの構築/導入を行うための標準的な手法などを開発する。

 Project MegaGridの目的について,4社は「企業グリッド・コンピューティングを活用できるよう,あらゆる分野の企業/組織を支援していく」とする。「企業グリッドは,分散しているITリソースを自動的にオンデマンド利用できるよう集める。こうすることで,アプリケーション・サービス・レベルの改善,システム管理性の向上,コストの削減につながる」(4社)

 第1弾の活動として,効率的な企業向けグリッド・コンピューティング・インフラ構築を実現するための標準手順を設計/試験し,必要な文書を作成する。実際に動作するインフラも作成し,Oracle社の施設Global IT Data Centerで検証を行う。

 各社がProject MegaGridのインフラに提供する製品は以下の通り。

・Dell社:
 「Xeon」プロセサ2個を搭載する企業向けネットワーク対応サーバー,「Itanium」プロセサ・ベースの4ウエイ「PowerEdge」サーバー,関連I/O技術

・EMC社:
 ネットワーク対応ストレージ・システム「EMC CLARiiON CX」「EMC Symmetrix DMX」,NASシステム「EMC Celerra NS Series/Gateway」,情報管理ソフトウエア「EMC ControlCenter」「EMC Navisphere」によるストレージ・インフラ

・Intel社:
 XeonおよびItaniumプロセサと関連サーバー管理技術,最適化ツールなど

・Oracle社:
 「Oracle Application Server 10g」「Oracle Database 10g」「Oracle Real Application Clusters 10g」「Oracle Enterprise Manager 10g」

 Project MegaGridの活動には,通信企業向けアプリケーションを手がける英Cramerと,米F5 Networksも加わる。Cramer社は,Project MegaGridで現実的な規模/内容のビジネス・トランザクション処理を行うために,商用アプリケーションを提供する。F5 Networks社は,アプリケーションの可用性/性能を確保できるよう,スイッチ製品「BIG-IP」を提供する。

 米メディアの報道(CRN)によると,Project MegaGridはx86アーキテクチャの標準的なx86サーバーを用いて128ノードのクラスタを構築する計画という。

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