企業向けグリッド・コンピューティングの普及を促進するコンソーシアム「Enterprise Grid Alliance(EGA)」は,欧州,中東,アフリカ地域で同技術を促進する委員会「Europe, Middle East and Africa Regional Steering Committee(E-RSC)」の発足を明らかにした。EGAがグリッドの国際会議「GGF(Global Grid Forum)12」において米国時間9月20日に発表した。

 EGAは,アジア太平洋地域へのグリッド・コンピューティング普及活動も視野に入れて,日本に運営委員会を7月に設立している。E-RSCは,EGAの活動をさらに広い地域に拡張することを目的とする。

 欧州では商用グリッドの導入が進んでいる。Evans Data社によれば,3社中1社がグリット・コンピューティング実装に向けた準備または計画を進めている。そのため,既存のデータ・センターのリソース,既製品のハードウエア,ネットワーキングおよびストレージ・コンポーネントを組み合わせることにより,大規模なコンピューティング・インフラを迅速かつ容易に構築できる。E-RSCは欧州の公共企業,民間企業においてさらに同技術を押し進めるとともに,中東,アフリカでも普及を促進する。

 同委員会は,EMEA地域におけるEGAの活動に興味を持つスポンサー・メンバーによって運営される。米EMC,富士通とドイツSiemensの合弁子会社Fujitsu Siemens Computers,米Hewlett-Packard,米Network Appliance,米Oracle,英Paremus,米Sun Microsystemsが参加する。E-RSCは,EGA理事会の管轄下に置かれ,EGAの技術とマーケティング委員と協調する。

 EGAは,ベンダーに依存しないオープンな独立系コンソーシアム。グリッド環境への商用アプリケーション展開にあたり,比較的近い将来必要とされるリソースの提供などを行う。

◎関連記事
「2007年の世界グリッド・コンピューティング市場は120億ドル規模へ,商用分野での利用進む」,米IDC
「欧州企業の『グリッド総合指数』は3.1,初期段階としては上出来」,米Oracle
米Intel,地球規模のインターネット実験ネットワーク「PlanetLab」を発表
米HP,ストレージ・グリッドに向けた「HP StorageWorks Grid」戦略とロードマップを発表
NEC,米Intel,米Oracle,米Sunなど,企業向けグリッドの普及促進に向けた団体「EGA」を設立

発表資料へ