米Hewlett-Packard(HP)は,企業のITプロセスを自動化する「OpenView Automation Manager」を発表した。スペインのマドリッドで開催中のイベント「Software Universe 2004」において現地時間11月30日に行なわれた。同製品は,データ・センターにおけるソフトウエア設定からITプロセスの自動化を拡張し,ビジネス・パフォーマンスにつなげるもの。同製品は,同年に買収した米Novadigmと米Consera Softwareの技術と同社の技術を統合している。

 また,同社は,同製品の機能を拡張するいくつかの製品も発表した,「HP OpenView Service Desk 5.0」は,「Helpdesk Manager 5.0」,「Change Manager 5.0」,「Service Level Manager 5.0」の3つのモジュールを収録する。これらモジュールは,すべて単一のアーキテクチャをベースにしているため,プロセス・データの共有が可能になる。Service Level Managerは,すでにService Deskを使っているユーザーに新しい機能も提供する。

 同社は,OpenView Service Deskの機能を強化した。同製品は,企業とサービス・プロバイダが,顧客経験の視点からサービス・レベルの管理を可能にするもの。Service Desk 5.0は,使い易いソリューションに対する顧客の要求に迅速に対応する。新版では,レポート,サービスとサービス・レベル契約(SLA)のテンプレート,新しい「Webstart」ツールを提供するとともに,グラフィカル・インタフェースを改善している。

 Service Level Manager 5.0は,QoS(Quality of Service)の定義,測定,レポート,改善のプロセスを強化する。ITIL(Information Technology Infrastructure Library)に準拠する。ITの重要なデータは,CMDBを通じて中央に集められ,常に同期されて整合性を保っているため,サービス品質レベルが改善される。

 Automation Managerは,監視,分析,イベント対応,仮想化機能を組み合わせ,データ・センター再設定の自動化を通じてサービス品質の改善を支援する。OpenView Automation Managerは,自動的にサービス設定とアプリケーションを予め定めたサービス・レベルに一致するように最適化する。

 OpenView Automation Managerは,HP OpenViewの変更と設定管理機能を拡張する。望まれる状態をビジネスの優先順位に一致するように変更する必要が生じたときを判断し,自動的に容量と需要をベースに準備を整える。

 「1年前にHP社は,企業が移行するビジネス・ニーズに対応できるように,管理情報の収集プロセスからリアルタイムの管理データを変換するプロセスまでを監視するソフトウエアにふたたび注力する戦略を発表した。本日発表したソリューションは,CIOがより包括的な視野からITリソースの割り当てを行なうインテリジェントな自動化機能を拡張して,この戦略を実行するものである」(HP社 Management Software Organization担当副社長兼ジェネラル・マネージャのTodd DeLaughter氏)

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