米Hewlett-Packard(HP)は米国時間8月12日に,2004会計年度第3四半期(2004年5~7月期)決算の速報を発表した。売上高は前年同期比9%増の189億ドル。GAAPベースの営業利益は6億5700万ドル,希薄化後の1株当たり利益は前年同期の10セントから90%増の19セントとなる見通し。

 非GAAPベースの場合,営業利益は8億4600万ドル,希薄化後の1株当たり利益は24セント(前年同期は23セント)を見込む。

                      2004年5~7月期     前年同期比     2003年5~7月期

売上高(10億ドル)         $18.9             9%             $17.3

非GAAPベースの営業利益率    4.5%                             4.9%

GAAPベースの営業利益率      3.5%                             1.7%

非GAAPベースの
希薄化後1株当たり利益      $0.24                            $0.23

GAAPベースの
希薄化後1株当たり利益      $0.19            90%             $0.10

 地域別売上高の見通しは,米大陸が前年同期比4%増の84億ドル,欧州が同14%増の75億ドル,アジア太平洋地域が同11%増の30億ドル。

 事業別でみた場合,企業向けストレージおよびサーバー事業の売上高見通しは,前年同期比5%減の34億ドル。営業損失は前年同期の2000万ドルから2億800万ドルに拡大。Industry Standard Servers部門の収入は同2%成長したが,Business Critical Server部門は同8%減少した。ストレージの収入は同15%落ち込んだ。

 ソフトウエア事業の売上高見通しは前年同期比17%増の2億2300万ドル。「HP OpenCall」の収入が同8%増加し,「HP OpenView」の収入は同26%急増した。

 サービス事業の売上高見通しは前年同期比12%増の35億ドルで,マネージド・サービスの収入は同42%急増,顧客サポートは同7%増加,コンサルティングおよびインテグレーション・サービスは同6%増加した。

 個人向けシステム事業の売上高見通しは前年同期比19%増の59億ドル。デスクトップ・パソコンの収入は同26%成長し,ノート・パソコンは同12%増加した。企業向けは同20%増収,消費者向けは同19%増収。

 画像処理およびプリンティング事業の売上高見通しは,前年同期比8%増の56億ドル。当期は約1000万台のプリンタを出荷した。

 「個人向けシステム,画像処理およびプリンティング,ソフトウエア,サービス事業の堅実な業績には満足しているが,企業向けストレージおよびサーバー事業の不振に相殺されたかたちとなった。これを受け,即座に経営幹部の変更を図る。また,同事業の営業利益率を向上するための対策を推し進め,2004会計年度第4四半期(2004年8~10月期)の黒字回復を目指す」(HP社会長兼CEOのCarly Fiorina氏)

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,同社は,企業向け事業販売責任者のPeter Blackmore氏,Jim Milton氏,Kasper Rorsted氏の3人を解雇する。

 同社は,2004年8~10月期の見通しについても明らかにした。売上高は210億~215億ドル,非GAAPベースの1株あたり利益は35~39セントの範囲と予測する。

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