米Hewlett-Packard(HP)とカナダ政府とのあいだで起きていた紛争で,HP社がカナダ政府に1億4600万カナダドル(約1億500万米ドル)を弁済することで両者が合意に達した。HP社カナダ法人のHP Canadaが現地時間5月14日に発表したもの。

 HP社はこの問題について,「HP社が米Compaq Computerとの合併にともなって引き継いだカナダ政府との契約を通じて,両者から搾取しようと企む複雑な手口によって生じた」(HP社)としている。同社は,問題に関わった個人や企業から資金を回収するために法的措置をとるなどの対応を進める予定で,カナダ政府もこれに協力する。

 HP社は「当社の従業員がこの策略から不正な利益を得たという事実はないが,契約上の義務における当社の面目を保つことが重要と判断した」と述べた。

 米メディア(CNET News.com)の報道によると,HP社広報担当のMonica Sarkar氏は,「当社はカナダ国防省との契約でIT製品およびサービスを供給する際に,時々下請け業者を使う。その場合,HP社は下請け業者に報酬を支払い,それからカナダ国防省に請求する」と説明している。

 また別の米メディア(TechWeb)の報道では,カナダ連邦警察が,HP社を主要プロバイダとする1億6000万米ドル規模の軍用コンピュータ・ハードウエアおよびサポート・サービス契約についても調査中だという。

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