米Hewlett-Packard(HP)は米国時間2月19日に,2004会計年度第1四半期(2003年11月~2004年1月期)の決算を発表した。売上高は195億ドルで前年同期の179億ドルから9%増収。会計原則(GAAP)ベースの希薄化後1株当たり利益は30セントで,前年同期の24セントから25%増加した。

 GAAPベースの営業利益は,前年同期比30%増の11億ドル。営業利益率は5.9%で,同0.7ポイント拡大した。なお,非GAAPベースの希薄化後1株当たり利益は,同21%増の35セントとなる。

 地域別でみた場合,米大陸の売上高は前年同期比3%増の84億ドルで,売上高全体の43%を占めた。欧州は同17%増の83億ドルで,売上高全体の42%を創出した。日本を除くアジア太平洋地域は同9%増の21億ドルで,売上高全体の11%。日本は同4%増の7億7700万ドルで,売上高全体の4%だった。

 事業別でみた業績は,企業向けシステム事業の売上高が前年同期比5%増の39億ドル。営業利益は1億800万ドルで,前年同期の赤字から1億9000万ドル改善した。業界標準サーバーの売上高が同15%増加したが,UNIX関連は同13%減少した。

 個人向けシステム事業の売上高は前年同期比20%増の62億ドルに達した。営業利益は6200万ドルで,「米Compaq Computerとの合併以,来過去最高を記録した」(HP社)。製品出荷台数は同23%伸びた。ノート・パソコンの売上高が同52%成長し,同事業を牽引した。デスクトップ・パソコンは同11%成長,ハンドヘルド収入も同25%増加した。

 サービス事業の売上高は,前年同期比6%増の32億ドル。特にマネージド・サービスが好調で,同27%成長した。カスタマ・サポート・サービスは同7%増収。コンサルティングおよびインテグレーション・サービスは同10%減収となった。

 画像処理および印刷事業の売上高は前年同期比6%増の59億ドル。製品出荷台数は1440万台で,同12%伸びた。

 金融サービス事業はの売上高は前年同期と比べ15%減少し,4億4100万ドルとなった。

 HP社会長兼CEOのCarly Fiorina氏は,「堅調な四半期となった」と述べた。「当社は,消費者,中小企業,大企業の各主要市場で強い競争力を維持している。事業全体にわたって勢いがついている上,優れた製品群を抱えている。そして,さらなる収益拡大と株主価値の向上を果たせる自信がある」(同氏)

 また同社は,2004会計年度第2四半期(2004年2~4月期)の見通しを明らかにした。売上高は192億~196億ドルの範囲,非GAAPベースの希薄化後1株当たり利益を約34セントと予測する。

◎関連記事
米HP,2004年Q1業績の見通しを発表,売上高は事前予測の上限195億ドルを見込む
米HPの2003年8~10月期決算,売上高は前年同期比10%増の199億ドルで「アナリスト予測を上回る」
米HP,2003年におけるLinux関連の製品とサービスの売上高が25億ドル
米Dellの11月~1月期決算,売上高も利益も過去最高
米IBMの2003年Q4決算は9%増収で大幅増益,「すべての地域で成長」
米Appleの2003年10~12月期決算,「iPod」などが好調で36%増収
米Sunの2004年Q2決算,前年同期比0.9%減収だが赤字は大幅縮小
「2003年Q4の世界PC出荷台数は前年同期比12%増,米HPが首位奪回」,米Gartner

[発表資料へ]