米AMDが,2004年第3四半期の決算を米国時間10月7日に発表した。売上高は12億3900万ドルで,前年同期の9億5400万ドルに比べ30%増,前期の12億6200万ドルからは2%減。純利益は4400万ドル(1株当たり利益12セント)で,前年同期の純損失3100万ドル(1株当たり損失9セント)から改善した。前期は純利益3200万ドル(1株当たり利益9セント)だった。

 なおAMD社は,10月4日に当期の売上高予測を下方修正していた。

 営業利益は6800万ドルで,前年同期は営業損失3000万ドル,前期は営業利益7200万ドル。粗利率は40%で,前期の38%より増えた。増加の要因について,同社はプロセサ販売の大幅な伸びと,90nmプロセス・ルールへの移行の成功を挙げる。

 同期の業績について,AMD社CFOのRobert J. Rivet氏は「コンピュータ関連製品事業(CPG)が売上高を21%も増やし,メモリー事業が粗利率を改善した結果,純利益が改善した」と述べる。「AMD64アーキテクチャ・プロセサは,CPGによる全売上高の3分の1以上を占めている。プロセサ売上高の増加は,平均販売価格(ASP)の上昇と販売個数の増加がもたらした」(同氏)

 事業別の売上高をみると,CPGの売上高は6億7300万ドル。前年同期の5億300万ドルに比べ34%増,前期の5億5400万ドルに比べ21%増だった。

 メモリー事業の売上高は5億3800万ドル。前年同期の4億2400万ドルに比べ27%増,過去最高だった前期の6億7300万ドルに比べ20%減。

 組み込み市場向けフラッシュ・メモリーの売上高は引き続き硬調。携帯電話機向けフラッシュ・メモリーの売上高は,ASP低下の影響を受けて大幅に減少した。

 同社は2004年第4四半期について,季節的要因によりプロセサの売上高が増加し,フラッシュ・メモリーの売り上げを維持または増やせることから,全体の売上高が増加するとみている。

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