セキュリティ/OS/認証技術を手がける欧州企業で構成する業界団体が,国際的なセキュリティ評価基準Common Criteriaの評価保証レベル「Evaluation Assurance Level 5(EAL5)」を満たすLinuxベースOSについて,開発契約をフランス国防省から獲得した。フランスのMandrakesoftが現地時間9月23日に明らかにしたもの。同団体には,フランスBertin Technologies,フランスSurlog,フランスJaluna,Mandrakesoft社,フランスOppidaなどが加盟している。契約期間は3年間。金額は700万ユーロ(約858万9000ドル)で,Mandrakesoft社がそのうち100万ユーロ(約122万7500ドル)を受け取る。
この契約により,同団体はEAL5準拠のマルチ・レベル・セキュリティ機能を持つLinux OSを開発する。完成したOSは軍隊以外に,通信システムやエンタプライズ・システムなどの産業界でも利用できるという。
Mandrakesoft社は,開発計画のなかでLinux OS関連の作業と,オープンソース・コミュニティの取りまとめを担当する。「この種のプロジェクトは,オープンソースの開発モデルを最大限利用するものだ。まずは多くの既存ソフトウエアを再利用する。その後コミュニティに協力してもらって,コードの検査と改良を行う」(Mandrakesoft社CEOのFrancois Bancilhon氏)
なお米MicrosoftのWindows,米Sun MicrosystemsのSolaris,米Hewlett-PackardのHP-UX,米IBMのAIXには、いずれもEAL4準拠の構成を提供可能である。EAL5対応のOSは極めて少なく,IBM社がメインフレームで対応しているという。
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