米Boeingと米IBMは,米国防総省に軍用通信/諜報システムを提供するため提携した。両社が米国時間9月20日に明らかにしたもの。国防用の情報システムで利用するデジタル通信/諜報技術を開発する。提携期間は10年間。契約金額など詳しい取引条件については伝えていない。
両社が開発する技術は,ネットワークを中心とする作戦行動に欠かせないものという。具体的には,人工衛星,飛行機,船舶,潜水艦,戦車に加え,無線機,ハンドヘルド・コンピュータなどで同じインタフェースや標準規格,プロトコルを使い,情報の共有を図る。
Boeing社総合防衛システム部門社長兼CEOのJim Albaugh氏は,「未来の紛争は,船舶や飛行機,戦車といった物理的な装備への依存度は小さくなり,戦力の全部隊がいかにうまく効率的に情報共有できるかで決まる」と述べる。「IBM社と当社が開発する技術で通信/諜報システムを強化することで,米国の国防体制はあらゆる階層でリアルタイムの情報収集/通信能力を高め,最大の効果を発揮する」(同氏)
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