米SCO Groupは米国時間6月10日に,2004会計年第2四半期(2004年2~4月期)の決算を発表した。売上高は1013万7000ドルで前年同期の2136万9000ドルと比べて減少。純損失は1495万9000ドル(希薄化後の1株当たり損失は1ドル6セント)。前年同期は純利益450万ドル(希薄化後の 1株当たり利益は33セント)の黒字だった。

 当期の営業損失は940万7000ドルで,UNIX事業合理化に関する一般管理費68万2000ドルと,営業権および無形資産の減損関連費用213万9000ドルが含まれる。

 減収の主な要因は,UNIX関連の知的財産権を管理するSCOsource事業で成果が得られなかったこと。当期のSCOsource事業の収入はわずか1万1000ドル。前年同期は825万ドルだった。

 ちなみに米メディアの報道(CNET News.com)によると,当期のSCOsource事業に関する経費と裁判関連の費用は440万ドルにのぼったという。SCO社CEOのDarl McBride氏は,「裁判関連の予算を四半期あたり200万~300万ドルとしていたが,300万~500万ドルかかる見込み」であることを,3月に発表していた。

 2004会計年度上半期(2003年11月~2004年4月)の売上高は2152万9000ドルで,純損失は1721万2000ドル(希薄化後の1株当たり損失は1ドル23セント)。2003会計年度上半期(2002年11月~2003年4月)は,売上高が3490万9000ドル,純利益が377万6000ドル(希薄化後の1株当たり利益は29セント)だった。

 同社は今後の見通しについても明らかにした。2004会計年第3四半期(2004年5~7月期)の売上高は1000万~1200万ドルの範囲と予測する。UNIX事業に関する支出は前期と比べて減少するが,SCOsource事業に関する支出は,ほぼ横ばいとなる見込み。

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