ドイツT-Mobile Internationalの米国法人T-Mobile USAは,米Cingularとの無線ネットワーク合弁事業を解消することを米国時間5月25日に発表した。解消にあたり,Cingular社はカリフォルニア州とネバダ州で共有するGSMネットワークを,T-Mobile社に25億ドルで売却する。ただし合弁事業の解消費用で2億ドルが相殺されるため,T-Mobile社が支払う金額は約23億ドルとなる。

 T-Mobile社とCingular社の合弁事業は,2001年の設立以来,両社の顧客向けにネットワークを提供・運営していた。

 合弁事業の解消に伴い,T-Mobile社は主に以下の項目を実施する。

・Cingular社が買収手続を行っている米AT&T Wirelessのネットワークへの移行が完了するまで,新たなホールセール(卸売)協定に基づき,Cingular社にネットワーク・サービスを提供する

・Cingular社とのローミング契約の条件を改定し,全米レベルの新たな契約に切り換える

・Cingular社の所有するカリフォルニア州の特定帯域と交換で,ニューヨーク州の10MHz帯域をCingular社に譲渡する

・カリフォルニア州の主要市場において,Cingular社の所有する10MHz帯域を1億8000万ドルで買収する

・カリフォルニア州のその他の市場については,2年以内にCingular社から購入する権利を取得する

 「Cingular社との契約内容の変更により,カリフォルニア州とネバダ州の顧客は,信頼性の高い,高品質のネットワークを引き続き利用することができる」(T-Mobile社CEO兼会長のRobert Dotson氏)

 米メディアの報道(InformationWeek)によると,解消手続は2005年初めまでには完了する予定。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]