ドイツT-Mobile Internationalの米国法人T-Mobile USAと米iPassは,Wi-Fiサービスのローミングに関して提携する。両社が米国時間12月16日に明らかにしたもの。「企業によるWi-Fiサービスの利用を拡大するのが狙い」(両社)とする。

 T-Mobile社は米国の空港や,大手書籍販売店の米Borders Books & Music,米Kinko's,コーヒー・ショップの米Starbucksなど,3900カ所以上でホットスポット・サービスを提供しており,商用Wi-Fiネットワークとしては「米国最大規模」(同社)という。一方のiPass社は,ローミング・サービス「Global Broadband Roaming(GBR)」を通じて,世界16カ国で約3000カ所のホットスポットを提供しているほか,Ethernet対応の接続サービスを1200カ所以上で提供している。

 T-Mobile社によると,同社のホットスポット利用者の88%はビジネス・ユーザー。これまで,小売店舗との提携などを通じてサービス・エリアの拡大に努めていた同社だが,iPass社との提携によって,さらなるビジネス・ユーザーを取り込みたいと考えている。

 「iPass社とのローミング契約によって,『iPassConnect』サービスの利用者は,当社が全米各地で提供するホットスポットを利用できるようになる」(T-Mobile社副社長兼 HotSpot部門担当ジェネラル・マネージャのJoe Sims氏)

 またiPass社のサービス利用者は,この提携によって,信頼性と性能に優れたT-Mobile社のホットスポット・ネットワークを利用できるメリットがあるという。

 「当社のWi-Fiネットワークは,ビジネス・ユーザーに焦点を当てている。このため,T-Mobile社との提携は,Wi-Fiサービスを企業ユーザーに広めるうえで貢献できるはずだ」(iPass社会長兼CEOのKen Denman氏)

 なお米メディア(CNET News.com)の報道によると,iPass社のサービス利用者数は41万5000人。iPass社のサービス利用者がT-Mobile社のホットスポットを利用するための料金は,24時間当たり9.99ドル。

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