米AMDが米国時間4月14日に,2004年第1四半期の決算を発表した。売上高は12億3600万ドルで,前年同期の7億1500万ドルに比べ73%増,前期の12億600万ドルに比べ3%増となった。純利益は4500万ドル(希薄化後の1株当たり利益は12セント)。前年同期は純損失1億4600万ドル(希薄化後の1株当たり損失は42セント),前期は純利益4300万ドル(希薄化後の1株当たり利益は12セント)だった。
米メディアの報道(CNET News.com)によると,売上高と純利益の両方で事前予測を上回ったという。
営業利益は6100万ドルで,前年同期は営業損失1億2500万ドル,前期は営業利益4600万ドル。粗利率は37.8%で前期に比べ2ポイント以上増えた。キャッシュ・フローは3四半期連続で黒字となり,2004年3月28日時点の現金残高は13億ドルある。
当期の業績が好調だった点について,AMD社CFOのRobert J. Rivet氏は「記録的な売上高,安定した成長,強力な運営がけん引した」と述べる。「売上が減少する時期にもかかわらず,フラッシュ・メモリーおよびマイクロプロセサ事業の販売が安定していたため,両事業とも収益をあげられた。特にアジア太平洋地域と中南米の売り上げが良かった」(同氏)
事業別にみた場合,パソコン向けプロセサ事業の売上高は5億7100万ドルで,前年同期の4億7000万ドルに比べ22%増。「季節的要因で売上高が減少する第1四半期だが,前期の5億8100万ドルに比べわずか2%減で済んだ」(同社)
メモリー事業の売上高は,過去最高の6億2800万ドル。前年同期の2億1800万ドルに対し188%の大幅増,前期の5億6600万ドルに比べ11%増となった。なお同社は,富士通と共同設立したフラッシュ・メモリー専業メーカー米FASLを2003年第3四半期から連結決算対象としている。「わずか3四半期で営業利益1400万ドルという収益を確保できた。ちなみに,前期は営業損失300万ドルだった」(同社)
同社は今後の見通しについても明らかにした。同社が予測する2004年第2四半期の状況は以下の通り。
・プロセサ事業の売上高は季節的な要因でやや減少する
・メモリー事業の売上高はやや増加する
・売上高が減少しがちな時期だが,全体的な売上高はほぼ維持できる
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