米Intelは米国時間4月13日に,2004年第1四半期の決算を発表した。売上高は80億9100万ドルで,前期と比べ7%減少したが,前年同期から20%増加した。純利益は17億3000万ドルで,前期比20%減少,前年同期比では89%増加した。1株あたり利益は26セントで,前期比21%減少,前年同期比86%増加となった。
同社は3月4日に発表 した業績見通しの中間修正で,当期の売上高について,従来の予測範囲である79億~85億ドルの上限を大幅に引き下げ,80億~82億ドルとしていた。
ちなみに米メディアの報道(CNET News.com )によると,米Thompson First Callが事前にまとめたアナリストの予測では,1株あたり利益は27セントだった。
当期の粗利率は60.2%で,前期の63.6%から3.4ポイント縮小した。「前期と比べ売上高が減少したことに加え,訴訟の和解関連費用が影響した」(Intel社)
同社は米Intergraphと争っていた特許侵害訴訟について,2億2500万ドルを支払うことで和解に達したことを3月30日に発表している。1億6200万ドルは当期に計上し,残りの6300万ドルは今後約5年間で償却する予定。
当期のIntel Architectureマイクロプロセサは出荷数が前期と比べ減少,売上高は59億8000万ドル(前期は65億1400万ドル)。チップセット/マザーボード/接続関連製品なども出荷数が減少し,売上高は10億4500万ドル(同11億8300万ドル)となった。一方,フラッシュ・メモリーは出荷数が伸び,売上高は4億1700万ドル(同3億9900万ドル)。
Intel社CEOのCraig R. Barrett氏は,「世界的にIT支出が回復しているため,当期の業績は前年同期と比べて健康的な成長を遂げた」と語った。「当期は90nm製造技術のプロセサを量産体制に移し,デスクトップ向けプロセサをリリースした。第2四半期は,モバイル向けとサーバー向けの出荷を大幅に増加する計画だ」(同氏)
■2004年第1四半期の地域別売上高(単位:100万ドル) 2004年Q1 2003年Q4 2003年Q1 ---------- ---------- ---------- 米大陸 $ 2,163 $ 2,356 $ 1,924 シェア 27% 27% 29% 日本を除くアジア太平洋 $ 3,284 $ 3,475 $ 2,642 シェア 40% 40% 39% 欧州 $ 1,927 $ 2,126 $ 1,641 シェア 24% 24% 24% 日本 $ 717 $ 784 $ 544 シェア 9% 9% 8%
■2004年第1四半期の事業別売上高(単位:100万ドル) 2004年Q1 2003年Q4 2003年Q1 ---------------------------------------------------------------------- Intel Architecture Business 売上高 7,025 7,697 5,772 営業利益(損失) 3,015 3,727 1,908 ---------------------------------------------------------------------- Intel Communications Group 売上高 1,065 1,035 963 営業利益(損失) (219) (143) (218) ---------------------------------------------------------------------- その他 売上高 1 9 16 営業利益(損失) (320) (1,022) (299) ---------------------------------------------------------------------- 合計 売上高 8,091 8,741 6,751 営業利益(損失) 2,476 2,562 1,391 ----------------------------------------------------------------------
また,同社は今後の見通しについても明らかにした。主な内容は以下の通り。
・2004年第2四半期の売上高は76億~82億ドルの範囲
・2004年第2四半期の粗利率は約60%(プラス/マイナス2ポイント)
・2004年第2四半期の費用(研究開発費とマーケティングおよび一般管理費)は約24億ドル
・2004年通期の粗利率は約62%(プラス/マイナス数ポイント)
・2004年通期の研究開発費は約48億ドル
・2004年通期の設備投資費用は36億~40億ドルの範囲
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