米Motorolaは米国時間1月20日に,2003年第4四半期と2003年通期の決算を発表した。2003年第4四半期の売上高は80億ドルで,前年同期の77億ドルから4%増加した。GAAP(会計原則)ベースの純利益は4億8900万ドル(1株当り利益は20セント)で,前年同期の1億7400万ドル(同8セント)から大幅な増益となった。

 一時的な費用を除いた場合の純利益は4億900万ドル(1株当り利益は17セント)。前年同期は2億9100万ドル(同13セント)だった。

 Motorola社社長兼CEOのMike Zafirovski氏は次のように述べる。「当期は全部門で受注量が増えたほか,4部門で営業利益が成長した。商業,政府,工業向けソリューション部門では,売上高と利益が継続的に伸びており,半導体製品部門も黒字に戻った。着実に前進しているが,現状に満足しているわけではない。今後はとりわけ,個人向け通信部門の業績向上に取り組み,新製品開発とそのサプライチェーン管理に注力する」(同氏)

 2003年第4四半期における主な部門の売上高と状況は以下の通り。

・個人向け通信部門:
 売上高は33億ドルで前年同期比3%減となった。受注高は同64%増の36億ドルだった。

・半導体製品部門:
 売上高は14億ドルで前年同期比2%増。受注高は14億ドルで同14%増。好調なネットワーキング分野が売上高と受注の増加につながった。

・グローバル電気通信ソリューション部門:
 売上高は14億ドルで前年同期比11%増。注文高は18億ドルで同67%増。無線サービス・プロバイダによる資本支出の増加が貢献した。

・商業,政府,工業向けソリューション部門:
 売上高は12億ドルで前年同期比5%増。受注高は12億ドルで前年同期比12%増。売上高と注文高の増加は,政府の自国防衛に関する取り組みが活発化しているため。

・統合電子システム部門:
 売上高は6億6900万ドルで前年同期比17%増。受注高は6億4700万ドルで同19%増。

・広帯域通信部門:
 売上高は5億1000万ドルで,前年同期比4%増。受注高は4億9800万ドルで同41%増。

 2003年通期の売上高は271億ドルで,前年の273億ドルから減少した。GAAPベースの純利益は8億9300万ドル(1株当たり利益は38セント)で,前年の純損失25億ドル(同1ドル9セント)から黒字転換を果たした。一時的な費用を除いた純利益は5億8100万ドル(1株当たり利益は25セント)で,前年の2億7900万ドル(同12セント)から約倍増した。

 今後の見通しについて,Motorola社執行副社長兼CFOのDavid Devonshire氏は次にように述べている。「2004年第1四半期の売上高は64億ドル~68億ドルの範囲,GAAPの1株当たり利益は5~7セントになる見通し」(同氏)

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