米National Semiconductorが米国時間9月4日に,2004会計年度第1四半期(2003年6月~2003年8月期)の決算を発表した。売上高は4億2480万ドルで,前期の4億2530万ドルに比べやや減少したが,前年同期の4億2060万ドルからはわずかに増加した。

 GAAP(会計原則)ベースの純利益は2970万ドル(1株当たり利益15セント)。これには,一時的な費用1260万ドルと,新会計基準FAS 143導入に伴う190万ドルの費用が含まれれるが,一部は910万ドルの雑益で相殺された。これら費用と利益を除いた場合,税引き後の純利益は3470万ドル(1株当たり利益18セント)となる。なお前年同期のGAAPベースの純利益は130万ドル(1株当たり利益1セント)だった。

 当期の業績について,National Semiconductor社会長兼社長兼CEOのBrian L. Hallaは「“数字”がそれ自身を語っている」と述べる。「この1年間で,利益を100万ドルから3000万ドルに増やした。当社は主力事業であるアナログ製品で,市場シェアの拡大を続けている」(同氏)

 全世界で受注額が出荷額を上回り,特にアジア太平洋地域と日本で好調だったという。

 製品別にみた場合,小型の電力管理製品と無線製品が受注額増加をけん引した。例えば,電力管理製品の受注額は前期比13%増,前年同期比36%増だった。同製品のなかでは小型製品の成長が特に著しく,前期に比べ30%増,前年同期に比べると70%以上増えた。

■2003年6月~8月期と前年同期の業績比較
(希薄化後の1株当たり利益を除く単位:100万ドル)

                              2004会計年度    2003会計年度
                                 1Q              1Q
-----------------------------------------------------------
売上高                          424.8           420.6
純利益                           29.7             1.3
希薄化後の1株当たり利益          15セント         1セント

一時的な費用を除いた純利益       34.7             1.3

一時的な費用を除いた
希薄化後の1株当たり利益          18セント         1セント
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出典:National Semiconductor社

 また同社は,今後の業績見通しについても明らかにした。それによると,2004会計年度第2四半期(2003年9月~11月期)の売上高は,前期比4%~7%増の範囲と予測する。

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