米In-Stat/MDRは米国時間4月12日に,世界のデジタル・テレビ市場に関する調査結果を発表した。それによると,デジタル・テレビの出荷台数は2004年の1700万台から2008年には9300万台に増加する見込みだ。

 米国で米連邦通信委員会(FCC)がデジタル・チューナの搭載を義務づけているほか,欧州で地上波放送局がデジタル化を進めており,アナログ・テレビとデジタル・テレビの価格差が縮小していることなどが,デジタル・テレビの需要の高まりを招くと,In-Stat/MDR社はみている。

 In-Stat/MDR社上級アナリストのMichelle Abraham氏によると,現在のテレビ市場には二つの重要なトレンドがあるという。それは,「CRTからフラット・パネル,マイクロディスプレイ,RPTVに移行しつつあること。そして,北米,欧州,日本などの主要市場でデジタル・チューナとアナログ・チューナの統合が進んでいることだ」(同氏)。このトレンドはパソコン・メーカーなどにとって新規参入の重要なチャンスとなる。また,従来のテレビ・メーカーにも,市場を広げる商機をもたらす。

 その他の主な調査結果は以下の通り。

・米国のテレビ市場はデジタルに移行しつつあるが,欧州とアジアにおけるデジタル化の見通しはそれほど明確ではない。メーカーの対応より,消費者の需要がデジタル化促進のカギを握る

・テレビがアナログからデジタルに移行するとともに,DVIまたはHDMI,IEEE 1394といった接続インタフェースの搭載が北米やアジア市場で増えている

・欧州では,アナログのワイドスクリーン・テレビとインタラクティブ・デジタル・テレビ(iDTV)の価格差が縮まっている。地上波デジタル放送受信機が普及していない地域では,消費者はアナログ・テレビからデジタル・テレビへの買い換えを考えるようになるだろう。

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