富士通の米国子会社Fujitsu Transaction Solutionsは米国時間4月12日,カナダのOptimal Roboticsの自動精算システム「U-Scan」の資産について,買収手続きが完了したことを発表した。買収金額は3500万ドル。Fujitsu Transaction Solutions社はU-Scanと関連サービスのほか,債務も引き受ける。

 U-Scanは,買物客が自身で商品をスキャンし,支払を済ませることができるシステム。店舗スタッフの介入がほとんど不要なことから,人件費の削減につながる。米IHL Consulting Groupの調査によると,北米の自動精算システムはU-Scanが約40%を占めており,カナダや英国でもU-Scanが使用されている。また2005年には,自動精算システムの市場規模は13億ドルを突破する見込みだという。

 今回の買収により,Fujitsu Transaction Solutions社はあらゆる規模の日用品小売業者,および食料品以外の大規模小売業者に対して,自動精算システムを提供できるようになる。同社と米Retalixが折半出資した米StoreNext Retail Technologiesでも,個人商店や小規模チェーン店などに対して同システムを提供する予定。

 「Optimal Robotics社は,知的財産,人材,確立されたブランドと顧客ベースに支えられた,素晴らしい製品群を持っている。世界中の小売業者がメリットを得られるよう,これらの資産を活用して,さらなる品質向上に取り組む」(Fujitsu Transaction Solutions社会長兼CEOのAusten Mulinder氏)

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