米IHL Consulting Groupが米国時間3月26日,2002年における北米の小売り分野向けPOS端末市場について調査した結果を発表した。それによると,2002年はLinuxベースのPOS端末の出荷台数が185%増加したという。
「飲食店や大型専門店などで,LinuxベースのPOS端末が徐々に導入されつつある。しかし,2002年の合計出荷台数の4%しか占めておらず,全体の69%を占める米Microsoftの『Windows』や,17%を占める米IBMの『4690』と対等に張り合うようになるのは,まだ先のことだ」(IHL Consulting社社長のGreg Buzek氏)
IBM社,米NCR,独Wincor-Nixdorf,富士通の子会社Fujitsu Transaction Solutionsなどのベンダーによると,多数の小売り業者がDOSベースのPOS端末からLinuxへのアップグレードを検討しているものの,実際に全社的なLinux導入に踏み切る企業はまだ少数だという。
2002年は景気の低迷によってPOS市場が減速した。「小売り業者が限られたIT予算を商品スキャナや,顧客の自動チェックアウト・システムなどに投資したからだ」と,Buzek氏は説明する。「市場は出荷台数ベースで前年比2%減と,予想していたほど落ち込まなかったが,1998~2000年の活況時を大幅に下回る結果となった」(同氏)
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