米ABI Researchは米国時間3月29日に,カメラ付き携帯電話機の世界市場に関する調査結果を発表した。それによると,2009年までに携帯電話機の約70%がデジタル・カメラを内蔵し,2009年末には大半が数メガピクセル(数百万画素)の解像度を提供するようになる。

 3月22~24日にアトランタで開催された「CTIA Wireless 2004」では,メガピクセル級のデジタル・カメラを搭載した携帯電話が7種類以上発表された。メガピクセル・カメラ内蔵携帯電話機は,平均販売価格が高く,ユーザー1人あたりのデータ利用料が上昇するなど,「価値連鎖を通じて大幅な収益性をもたらす」(ABI Research社)としている。

 また,米Strategy Analyticsも同市場に関する調査結果を同日発表し,「2004年におけるカメラ付き携帯電話機の出荷台数が1億7000万台に達する」と予測している。

 ただし同社は,「従来のデジタル・スチル・カメラを手がけている大手メーカーは,社内に携帯電話事業を設けたり,無線関連企業と提携を結んだりしなければ,長期的競争に押しつぶされてしまうだろう」と忠告する。

 その他の調査結果は以下の通り。

・2003年におけるカメラ付き携帯電話機の出荷台数は世界で8400万台に達した。これに対し,デジタル・スチル・カメラの出荷台数は4900万台だった。

・2003年におけるカメラ付き携帯電話機のメーカー首位はNECで,16%のシェアを獲得した。同社が出荷した携帯電話機の90%以上がデジタル・カメラを内蔵している。

・カメラ付き携帯電話機の需要が最も高いのはアジアだが,2004年は欧州が25%以上のシェアを占めるようになる。

・カメラ付き携帯電話機のメーカーは,消費者が従来の銀塩カメラやデジタル・スチル・カメラで慣れ親しんだ機能を取り入れることで,カメラ付き携帯電話機の普及促進を図る。

・2006年には,カメラ付き携帯電話機の過半数が1メガピクセル以上の解像度を備えるようになる。

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[発表資料(ABI Research社)]
[発表資料(Strategy Analytics社)]