米Novellと米IBMは,IBM社のサーバー製品にNovell社の企業向けLinux「SUSE LINUX Enterprise Server」を搭載することで合意に達した。Novell社が米国時間3月24日に発表したもの。「ユーザーはLinuxの選択肢が広がるだけでなく,導入と管理に関するコスト効率を高めることができる」(同社)

 IBM社は合意に基づき,「eServer iSeries」「同pSeries」「同xSeries」製品系列や,「eServer BladeCenter」シリーズなど,同社のすべてのサーバー製品にSUSE LINUX Enterprise Serverをプリインストールして出荷できる。同社はこれまで,同OSをバンドル販売することはできたが,製品へプリインストールすることは認められていなかった。またNovell社は今後も,IBM社のサーバー・プラットフォーム向けに,SUSE LINUXを開発およびサポートするという。

 Novell社会長兼CEOのJack Messman氏は,「Linuxは市場で勢いを得ており,IBM社のような大手ベンダーと協力して,SUSE LINUXを提供するまたとないチャンスだ。ユーザーは,当社が提供する技術サポートと顧客サービスにより,高品質のOSを購入しているという安心感を得ることができる。IBM社との提携によって,企業分野におけるLinuxの普及を後押しする」と説明した。

 なお米メディア(CNET News.com)の報道によると,米Hewlett-Packard(HP)はすでに,SUSE LINUXのプリインストールについてNovell社の合意を取りつけている。HP社は3月24日にNovell社との提携関係の拡大を発表し,同社のデスクトップ・パソコンに「Novell SuSE Professional」をプリインストールすることで両社が合意に達したことを明らかにした。

 Novell社はまた,IBM社による5000万ドルの資金提供に関して,両社が最終合意に達したことも,同日発表した。IBM社の出資は,Novell社が2003年11月に,ドイツのSUSE LINUXの買収計画を発表した際に取り決めたもの。IBM社は5000万ドルでNovell社の転換優先株を買い取る。これらの転換優先株は,年率2%の配当金を四半期ごとに現金で受け取ることができるほか,Novell社の普通株800万株(1株当たり6.25ドル)に転換可能という。

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[発表資料(1)]
[発表資料(2)]