米ノベルは11月4日、ドイツの大手Linuxディストリビュータであるスーゼ・リナックス(SUSE Linux)を買収すると発表した。2億1000万ドルの現金によるもので、2004年1月までに完了する見込み。ノベルは8月にはLinux向けデスクトップ環境ソフトウエアを開発している米ジミアンを買収している。ノベルはこれら2社の買収により、オープンソースに注力していく姿勢を鮮明にした。

 また同社は、米IBMがノベルの転換優先株を5000万ドルで購入する予定であることも明らかにした。IBMとスーゼは共同でIBMのeServerにSUSE Linuxを移植してきた。ノベルがスーゼを買収した後も、IBMとの協力関係を続けていくという。

 米ザSCOグループは「SCOが著作権を持つオリジナルUNIXのソースコードをIBMがLinuxに不正流用した」としてIBMを3月に訴えている。この際、ノベルはSCOに対し「UNIXの著作権はノベルが持っており、SCOは持っていない」と反論し、IBMへの援護射撃を行った経緯がある。今回ノベルがオープンソース支持の態度を鮮明に打ち出したことで、「SCO対オープンソース陣営」の構図がより明確になってきた。

(大森 敏行=日経コンピュータ)