米In-Stat/MDRは米国時間3月2日に,ブロードバンド・セキュリティ市場に関する調査結果を発表した。それによると,ブロードバンド接続によるセキュリティのリスクを理解するユーザーが増えることから,同市場の規模は2007年に37億ドルに達するという。

 In-Stat/MDR社は,「リスクを理解していない一般ユーザーにもブロードバンド接続は広まりつつあるが,利用可能なセキュリティ・ソリューションの増加と,セキュリティ・リスクに対する意識向上の影響で,今後2年間セキュリティ市場は急拡大する」とみている。「市場は2008年に飽和状態となるが,アンチ・ウイルスとファイアウオール製品の伸びが著しい」(同社)

 In-Stat/MDR社調査アナリストのJaclynn Anderson氏は,「インターネット常時接続,固定IPアドレス,多くのオンライン・アプリケーションが,家庭および企業のブロードバンド技術を脅かしている」と指摘する。「さらにブロードバンド・ユーザーは,無線LANやVPNを利用することが多い。これらは,ただでさえ無防備なインターネット接続の危険を増幅する」(同氏)

 そのほかの調査結果は以下の通り。

・ブロードバンド・セキュリティ市場で最も重要視されるセキュリティ製品は,ファイアウオール,アンチウイルス,コンテンツ・セキュリティの3つだ。ハードウエア,ソフトウエア,サービスまたは会員制のビジネス・モデルなどさまざまな形態で導入が進む。

・家庭ユーザーの市場規模が最も大きい。その主な理由として,同社は「家庭市場はケーブル/DSL接続の普及率が企業市場に比べて高い」ことを挙げる。

・家庭ユーザーも企業ユーザーも,セキュリティ製品/サービスを主にオンライン・ストアや小売店で購入する。また小規模企業は,付加価値再販業者を利用する。その一方で,サービス・プロバイダ・チャネルの製品/サービス取扱量も2008年まで増える。

・家庭ユーザーの40%弱がペアレンタル・コントロールなどのコンテンツ・セキュリティ・ソリューションを使っている。ただし,導入率はアンチウイルスおよびファイアウオール製品より低い。

◎関連記事
「高速インターネット接続サービス,2004年は前年比30.5%増の170億ドル規模に」,米調査
「小規模企業の66%がブロードバンドを利用」--米調査
「固定無線ブロードバンド市場は今後急速に成長,2007年末には現在の約2倍の規模に」,米調査
「米国家庭の技術導入状況は人種によって明確な違いがある」,米調査
「2004年に米国でFTTHの導入が急ピッチで進む」と米調査
2004年2月のウイルス被害状況,「Sober-C」が再びワースト1に
「2003年Q3に重大なセキュリティ問題が前期比15%増加,攻撃が多様化」,米ISS調査
「混合型の攻撃が増加」,米Symantecがインターネット・セキュリティに関する調査結果を発表

[発表資料へ]