米Forrester Researchは,米国における人種別の技術導入状況について調査した結果を米国時間12月16日,発表した。それによると,年収や教育レベルに差があることから,人種ごとのオンライン接続状況はばらつきがある。オンライン接続を行っている黒人家庭は42%,中南米人家庭は57%,白人家庭は67%,アジア人家庭は79%だった。

 調査は,5万4817世帯の米国家庭を対象にアンケートを実施したもの。米国に住むアジア人,黒人,中南米人,白人のあいだでは,技術導入,メディア利用,順応性に明確な違いがあるという。また,技術デバイスを所有しているか否かは年収に左右されるが,子供の有無やエンターテインメントへの関心なども大きな要因となる。

 そのほかの主な調査結果は以下の通り。

・2004年にデスクトップ・パソコンを購入する予定の黒人家庭は15%,白人家庭は7%,アジア人と中南米人家庭では11%。

・中南米人は,他の人種よりMP3プレーヤ,ビデオ・ゲーム機,デジタル・ビデオ・カムコーダなどのエンターテインメント機器の購入を希望する傾向が高い。ちなみに,中南米人の年収は白人と比べて1万6100ドル低い。

・電子メールは,いずれの人種にとっても最も頻繁に実行するオンライン活用である。また,アジア人は音楽,ソフトウエア,ビデオのダウンロードといったマルチメディア志向の活用が多く,中南米人は写真共有やインスタント・メッセージングなどのコミュニケーション活用が多い。

・ISPが提供するペアレンタル・コントロールを重視する割合は,中南米人が54%,黒人が48%であるのに対し,白人は29%,アジア人は27%だった。

・オンライン・コンテンツに関して,アジア人,黒人,中南米人は,パーソナライズや検索広告などの機能を重要と見なす傾向が高い。

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