米Semico Researchは米国時間2月26日に,半導体市場に関する調査結果を発表した。それによると,2003年におけるウエーハの生産量は(200mmウエーハに換算して)7820万枚で,前年と比べて12.6%増加した。同社は,2003~2008年にウエーハの生産量が年平均9.2%で増加すると予測している。

 「半導体製品市場の成長だけでなく,新たな素材,装置,技術の登場も,一時的にウエーハの需要上昇を後押しする」(Semico社アナリストのJoanne Itow氏)

 ただし,今後の市場成長に対応するだけの生産能力があるかといえば,「それは常に懸念事項のトップ項目になる。現状で十分かと問われても,現在使っている技術が最良かどうかもわからないので,計画を立てようがない」(同氏)。

 今後,130ナノメートル以下の製造プロセスへの移行が加速し,市場が回復するとともに,新たな製品が市場に現れる。2003年は,全ウエーハの16%に130ナノメートル以下の製造プロセスが採用された。2004年はその割合が31%に拡大する見通しだ。

 供給についてみると,過去2年間の設備投資削減により,新技術に対応した工場はごくわずかだ。また,2003年後半から需要が高まり始めたため,最新技術の生産能力は,すぐに使い尽くされてしまう。しかしItow氏は,需要と供給のバランスが再び逆転するとみている。「300mmウエーハ工場を所有している企業は,2003年下旬に工場を稼働し始めている。また,工場の拡張や新規建設も行われるだろう」(同氏)

 2005年には二十数カ所の300mmウエーハ工場が稼働していると,Semico社は予測する。中国に多数ある200mmウエーハ工場を合わせると,大幅な生産能力の補強といえる。これにより(供給過多が生じ),市場は2005年に減速傾向となる。

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