米IDCが米国時間12月17日に,世界DRAM市場に関する調査結果を発表した。それによると,2004年から2005年にかけ全世界でDRAM需要が回復する見通しだ。しかしその後,12インチ・ウエーハ工場の生産能力拡大の影響で供給過剰となり,2005年に需要は下降するという。こうした需給変動過程を経るものの,DRAM市場の規模は2003年の165億ドルから,2007年には247億ドルに拡大する。

 IDCは,DRAMに対するビット需要の増加率を年平均40%以上と見積もる。パソコン買い換えサイクルの到来と,次世代マイクロプロセサの登場が需要の伸びを後押しする。なかでも「携帯電話機やPDAなどのモバイル機器による需要増加が顕著」(IDC)という。

 メモリー方式別にみると,DDRが複数世代に渡り主流の地位を守る。DDR2がDDR1に続く主要メモリー・インタフェースとなり,2007年にピークを迎え,市場全体の70%以上を占める。その後をDDR3が引き継ぐ。RDRAMの後継とみなされ,パソコン用メモリーとしてDDRに対抗しうるXDRは,2004年から消費者/ネットワーク向けに広まる。

 メモリーの密度については,2007年にパソコンのメイン・メモリーの平均容量が1Gバイトを超えると予測する。2006年の終盤になると,DRAMチップの密度が512Mビットから1Gビットに移行し始める。

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,米国半導体工業会(SIA:Semiconductor Industry Association)も11月に同市場の見通しを明らかにしている。SIAの市場規模予測は,2003年が165億ドル(前年比7.9%増),2004年が222億ドル(同35%増),2005年が178億ドル(同20%減),2006年が231億ドル(同30%増)である。

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