オーストラリアのSharman Networksは「連邦裁判所が，米映画音楽業界を相手取った当社の訴訟申請を認める判決を下した」と，米国時間1月23日に発表した。Sharman Networks社を著作権侵害で提訴している米映画音楽業界は，同社の逆提訴を認めないよう裁判所に求めていたが，連邦裁判所のStephen Wilson判事がこれを退けた。

　Sharman Networks社は，米映画音楽業界が同社と同社パートナ企業の米Altnet，およびピア・ツー・ピア（PtoP）技術に対し，反競争的行為と不正な事業慣習を行ったと主張。なお裁判所は，米映画音楽業界の行為が独占禁止法に抵触するとの主張については却下した。

　Sharman Networks社は，米映画音楽業界がSharman Networks社のPtoPソフトウエア「Kazaa」のエンド・ユーザー・ライセンス契約（EULA：End User License Agreement）に違反したとする主な理由を以下のように述べている。

・なりすましファイルや改ざんファイルの送信とダウンロードに，Kazaaソフトウエアを使用している。

・コンピュータ・ユーザーのパソコンに格納されているファイルの検出を行い，個人プライバシに関する州法あるいは連邦法に抵触し，コンピュータ・ユーザーの権利を侵害している。

・Kazaaのインスタント・メッセージング機能を使用して，Kazaaユーザーに警告メッセージを送っている。

　「米映画音楽業界は自分たちの著作権が侵害されたとしているが，彼らは直接的および間接的に，当社の著作権を侵害している。今回の裁判所の判断は，当社が自社の権利を追求することを認めるものだ」（Sharman Networks社）

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