ソニーの米国法人Sony Electronicsのデータ・メディア製品が,バックアップ用テープ規格「Linear Tape Open(LTO)Ultrium」の検証テストに合格した。LTO Ultriumを推進する米Certance,米Hewlett-Packard(HP),米IBMの3社が米国時間12月1日に明らかにした。

 これにより,Sony Electronics社は今後,データ・メディア製品に「LTO Ultrium format Generation 2」の商標を付けることが許可される。「LTO 1カートリッジに加え,LTO 2メディアを提供することで,顧客の選択肢を大幅に広げる」(Sony Electronics社Media and Applications Solutions部門上級バイス・プレジデントのTom Evans氏)

 LTO Ultriumの普及推進プログラム「LTO Program」では,すべてのライセンシがメディア製品の検証テストに合格する必要がある。テストは独立系研究所が管理しており,データ内部交換などの厳しい試験を行うという。合格した製品は,Ultrium商標の表示が承認される。テストは毎年実施し,「すべてのライセンシがLTO Ultrium仕様に準拠し続けていることを確認する」(LTO Program)。

 LTO Ultrium format Generation 2で定める圧縮時のストレージ容量は400Gバイト(圧縮比2:1の場合),圧縮時のデータ転送速度は最大70Mバイト/秒。

 なおLTO Programは,LTO Ultrium形式の総出荷容量が,2000年9月以来2000Pバイト(データ・ストレージ・テープ・カートリッジ出荷数にして1000万巻)を超えたことを今年7月に発表している。LTO Programによれば,2002年以降のLTO Ultriumテープ・カートリッジ出荷数は四半期ごとに20%伸びているという。

◎関連記事
「2002年のテープ・ライブラリ装置市場, 出荷台数は増加だが売上高は減少」,米調査
米StorageTek,富士写/米アイメーションとテープ・メディアの共同開発へ
新生HPはLTO方式を使ったバックアップを推奨--HPのマネージャが語る
米ストレージテック,「業界で最も高速かつ大容量」のテープ・ドライブ「T9940B」を発表
富士通シーメンスが米ストレージテックと提携拡大,テープ・ライブラリL5500を再販
米Qualstarが米DinoStorのテープ・サーバーを認定,テープ・ライブラリがネットワークのバックアップ保護を拡張
米IBMが1本のテープ・カートリッジに1テラ・バイトのデータを保存する技術を開発
米クアンタムがラックマウント型テープ・オートローダ「SuperLoader」を発表

[発表資料へ]