米StorageTekは米国時間9月30日,高速大容量のテープ・ドライブ「T9940B」を発表した。「大容量の重要データを迅速に収集,移動,保存するうえで最適なストレージ・デバイス」(StorageTek社)としている。

 「ユーザーは,T9940Bの高速データ転送,大規模なストレージ容量,高いデューティ・サイクル,低い障害発生率などにより,少ないテープ・ドライブを使って,短時間により多くの作業を行える。また高レベルのストレージ・デバイスなかでは,1Gバイト当たりの保存コストが最も低いため,TCOの大幅な削減にも貢献する」(StorageTek社)

 T9940Bは,バックアップやデータ復旧,デジタル資産の保存,科学技術データの収集および処理など,データ集約的なアプリケーションに適している。

 その他の主な特徴は以下の通り。

・非圧縮データの場合,転送速度は30Mバイト/秒,カートリッジ1本あたりの記録容量は200Gバイト。

・T9940Bのデューティ・サイクルは70%。 1台のT9940Bで,ミッドレンジのテープ・ドライブ数台の業務をこなすことができる。

・前モデルの「T9840B」と同様,2Gビット/秒のFibre Channelにネイティブで対応。SAN環境において高速でシームレスな接続性を提供する。

・T9940Bを使った場合,1Gバイト当たりの保存コストは0.47ドル。またT9940Bは,旧モデル「T9940A」と下位互換を持ち,T9940Aと同じテープ・カートリッジを使用する。

・StorageTek社独自の「VolSafe」技術を利用したWORM(Write-Once-Read-Many)機能を搭載。上書きや消去のリスクなしに,データに繰り返しアクセスできる。

 T9940Bの希望小売価格(米国)は3万9500ドル。世界市場に向けて11月に出荷する予定である。

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