米IBMはデジタル形式のリニア・テープ・カートリッジ1本に1TB(テラ・バイト)のデータを保存することに成功したと米国時間5月13日,発表した。「現在利用可能なテープ・カートリッジの10倍以上にのぼるデータ保存容量である。DVD映画なら連続16日間分に当たり,人間の脳が一生に記憶できるデータの8000倍に相当する」(IBM社)
IBM社はテープ・ストレージ製品ファミリ「Enterprise 3590 Tape」に,この1TBデータ保存技術を取り入れる。
ちなみに,IBM社が最初の磁気テープ・ドライブ「Model 726」を1952年に発表して以来,今年で50年を迎える。Model 726のデータ保存容量は1.4MBだった。
1TBのデータを1本のカートリッジに保存するための取り組みは,カリフォルニア州サンノゼにあるIBM社の研究センター「Almaden Resaerch Center」と,サンノゼ,アリゾナ州ツーソン,大和市のIBM社ストレージ製品開発研究所で2001年4月に始められた。富士写真フイルムのテープ・メディアを採用した。
1TB保存技術のテープ・カートリッジは幅4インチ(約10.2cm)×長さ5インチ(約12.7cm)×厚さ1インチ(約2.5cm)。正確な読みとり/書き込みを実現するためのIBM社のフラット・ラップMRヘッド技術,高精度タイミングを可能にするサーボ・パターン技術のほか,デジタル信号を読み出すためのチャネル技術「Partial Response Maximum Likelihood(PRML)」を利用したIBM社の特許技術を用いる。
1TBのデータ保存に対応したテープ・ストレージ製品は,今後数年で商品化する予定である。「CD1500枚分以上のデータを保存できる」(IBM社)
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