Gates会長，ソフトウエア新時代「Seamless Computing」の構想を語る

和田英一

2003.11.18

　米Microsoftは，ソフトウエアの新時代に向けた構想を米国時間11月16日，明らかにした。ラスベガスで開催中の「COMDEX Las Vegas 2003」で，同社会長兼チーフ・ソフトウエア・アーキテクトのBill Gates氏が基調講演を行ったもの。

　「現在コンピュータ・ユーザーが直面している根本的な問題を解決し，コンピューティングの真価を発揮させ，スマート・デバイス，ソフトウエア，サービスが一体となって機能するための枠組み」（同氏）を目指すとしている。

　同氏はソフトウエアの新時代を「Seamless Computing」と名づけ，ネットワーク化したシステム，情報駆動型ソフトウエア，マルチメディア対応ユーザー・インタフェースなどの分野において，抜本的なソフトウエアの革新が重要であると強調した。「これからの時代では，ソフトウエアはもはやハードウエアの機能の制約を受けない。ソフトウエア業界は，個人や企業のつながりを強化し，より良い共同作業を支援し，人々が望む職場環境を提供するSeamless Computingを実現しつつある」（同氏）

　Gates氏は「プロセサ，ストレージ，グラフィックス，Webサービスの進歩が，技術業界に新たな発展をもたらしつつある。開発者はこれらの技術を利用して，人々と技術が境界線を超えて連携するための新たなソフトウエアの作成に取り組んでいる」と説明し，Seamless Computing実現に向けた取り組みの一環として，スパム・メール防止技術「SmartScreen Technology」，ネットワーク・セキュリティ・サーバーの新版「Internet Security and Acceleration（ISA）Server 2004」，システム管理ソフトウエア「Systems Management Server（SMS）2003」のネットワーク管理およびパッチ適用機能などを紹介した。

　また，検索技術「Stuff I've Seen」（開発コード名）のデモも行った。電子メールやWebブラウズ履歴，Officeなどの書類といったパソコン上のさまざまなデータから動的に情報を検索する手法を模索しているという。

　その他，タブレットPC用OS「Windows XP Tablet PC Edition」の次期版のリリースについても明らかにした。2004年前半に提供を開始する。