XML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)のメンバーが,オフィス・アプリケーション向けのオープンなXMLベース・ファイル・フォーマットの検討を進める技術委員会「OASIS Open Office XML Format Technical Committee(TC)」を発足させた。OASISが米国時間11月20日に明らかにしたもの。

 OASIS Open Office XML Format TCの目的は,相互運用可能なオフィス・アプリケーション用標準データを開発すること。「テキスト,スプレッドシート,図面,グラフを含む文書に適し,高いレベルの情報編集作業が可能なフォーマットを提供する」(同TC)

 当初同TCは,コンテンツ作成/管理用アプリケーションで使う標準データの開発を活動の中心とする。その後,XMLを利用して,アプリケーション間のデータ交換の簡略化をテーマにするという。対象アプリケーションには,ビジネス・プロセス,Webサービス,データベース,検索エンジンなどを想定する。

 同TCの目的について,米Sun MicrosystemsのMichael Brauer氏(同氏は同TCの委員長に就任)は,「我々のゴールは,コンテンツが特定メーカーのファイル・フォーマットに封じ込まれないようにするため,合意の取れるオープンな標準仕様を作ること」と説明する。「オフィス文書の処理/交換を行う標準的な手法があると,情報の表示や編集に使うツールを自由に選べるようになる。コンテンツ作成に使った最初のアプリケーションが使えなくなってから長期間過ぎていても,問題にはならない」(同氏)

 Sun社は,オフィス向けソフトウエア・スイート「StarOffice 6.0」のオープン・ソース版「OpenOffice.org 1.0」で利用してるXMLファイル・フォーマットを,ロイヤルティ・フリーでOASIS Open Office XML Format TCに提供する意向という。

 Sun社のほかに同TCへの協力を表明している主な企業は以下の通り。米Arbortext,米Boeing,カナダCorel,米Drake Certivo。

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,米MicrosoftのOffice製品担当者が「OASIS Open Office XML Format TCの活動を静観する」というMicrosoft社の方針を明らかにした。ただし,将来参加する可能性については否定していないという。

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