米Cisco Systemsは,企業向けWeb会議製品を手がける米Latitude Communicationsを買収することで,両社が合意に達したことを米国時間11月12日,明らかにした。Cisco社は,Latitude社の発行済み株式1株に対し,3ドル95セントの現金を支払う。買収総額は約8000万ドル。

 Latitude社は,Cisco社のソフトウエア「CallManager」と統合可能なWeb会議製品「MeetingPlace」を提供している。ユーザーは Cisco社のモニター付きIP電話を使って,Web会議の予定を立てたり,Web会議に参加することができる。なおMeetingPlaceは,米IBMのLotus Notesや米MicrosoftのOutlook環境とも統合できる。

 Cisco社は,同社が提唱する企業向け音声/映像/データ統合ネットワークのアーキテクチャ「AVVID (Architecture for Voice, Video and Integrated Data)」に,リッチ・メディア会議製品を加え,IP通信分野で優位に立ちたいと考えだ。

 Cisco社副社長兼Voice Technologyグループ担当ジェネラル・マネージャのDon Proctor氏は,「Latitude社買収によって,高度なマルチメディアWeb会議システムを提供する。ネットワーク・ユーザーの在席状況や位置データなど,動的なネットワーク情報を利用し,職場の生産性向上を支援する」と説明した。また,「MeetingPlaceをH.323,SIP(Session Initiation Protocol),XMLといった業界標準に対応させ,音声/ビデオ会議向け製品やインスタント・メッセージング製品とのシームレスな統合を図る」(同氏)としている。

 Latitude社は,Cisco社Voice Technologyグループに移り,Ciscoブランドのもと製品を販売する。買収手続きは株主や規制当局の承認を経て,2004会計年度第2四半期(2003年11月~2004年1月期)に完了する予定である。

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