サイバネットシステムは12月12日,米ウェブエックス・コミュニケーションズの技術を使うオンライン会議サービス「WebEx Meeting Center」の提供を開始したと発表した。ウェブエックスが構築したグローバル・ネットワークを利用したサービスで,パソコン内のドキュメントや音声,ビデオを使ったマルチメディア会議を可能にする。ユーザーとなる企業は,インターネット接続環境とWebブラウザがあれば会議に参加できる。

 サービスの核となるのは,ウェブエックスが全世界12カ所以上の拠点に設置した「Information Switch」と呼ぶキャッシュ機能を持つ交換機。ホストとなるパソコンに表示される画面情報を会議の参加者のパソコンにマルチキャストすることで,ドキュメント共有を可能にする。

 会議開催までは,(1)会議のホストとなるパソコンの所有者が,ウェブエックスが会議ごとに設置した専用のホームページ「MicroSite」にインターネット経由でアクセス,(2)会議を登録し,参加者に会議の日時とMicroSiteのURL(uniform resource locator)を通知,(3)各参加者がMicroSiteにインターネット経由でアクセスし,ログイン--という手順を踏む。

 利用できる機能は,ミーティング参加者のパソコン内にあるドキュメントを参加者が閲覧/マーキングできる「ドキュメント共有」のほか,制御権を参加者同士が受け渡すことで,ネットワーク経由で別ユーザーのパソコン上のアプリケーションを操作できる「アプリケーション共有」やチャット,ファイル転送など。VoIP(voice over IP)による音声データの統合も可能だ。

 クライアントには米マイクロソフトのInternet Explorerまたは米ネットスケープ・コミュニケーションズのNetscape Communicatorのどちらかが必要。利用時にブラウザに専用のプラグインを設定するだけで利用できる。OSはWindows95などWindows系のほか,MacintoshやSolarisでも動作する。

 サービス料金はMicroSiteの設定費用19万5000円。月額利用料は,利用できる機能に応じてプロとスタンダードの2種類があり,スタンダードで契約ユーザー数25までの場合,1ユーザー当たり1万6600円。このほか追加料金を支払うことでインターネット電話やSSL機能などを利用できる。

(松本 敏明=日経コミュニケーション)