米AT&Tは米国時間10月21日に,2003年第3四半期の決算を発表した。連結売上高は86億ドルで,前年同期と比べて8.1%減少した。非継続事業の損失などを含めた純利益は4億1800万ドル(1株当たり利益は53セント)。米メディアの報道(InformationWeek)によると,前年同期における同条件の純利益は2億700万ドル(同26セント)だった。

 継続事業による純利益は4億5800万ドル(希薄化後の1株当たり利益は58セント)で,前年同期の5億2500万ドル(同67セント)から減少した。

 売上高が低迷している原因について,同社は「長距離通話の収入が引き続き落ち込んでいるため」としている。ただし,市内/長距離バンドル通話サービスなどが長距離通話の減収を一部相殺している。

 事業別でみた場合,AT&T Business Services部門の売上高は63億ドルで,前年同期と比べて6.2%減少した。営業利益は4億1700万ドルで,営業利益率は6.6%(前年同期と比べて6.1ポイント減)。長距離通話の収入は前期比10.5%減少したが,回線数は同約15%増加した。市内通話は前年同期と比べて約38%増収。

 AT&T Consumer Services部門の売上高は24億ドルで,前年同期比15.8%減少した。営業利益は5億ドル,営業利益率は21.2%(前年同期と比べて0.1ポイント減)。長距離通話の収入は落ち込んだが,市内/長距離バンドル通話サービスが前年同期比77%成長した。市内/長距離バンドル通話の収入は,同部門全体の22%を占めた。当期末時点で,市内通話サービスの顧客は350万人を超え,前年同期と比べて85%増加した。

 また同社は,2001年と2002年の決算で不適切な処理があったことを確認した。接続費用などを,実際より1億2500万ドル低く計上していたという。

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