米AT&Tは米国時間7月24日に,2003年第2四半期の決算を発表した。連結売上高は88億ドルで,前年同期と比べて8.2%減少した。継続事業による純利益は5億3600万ドル(希薄化後の1株当たり利益は68セント)で,前年同期の6億300万ドル(同80セント)から減少。営業利益は10億ドルで,営業利益率は11.7%だった。

 ちなみに,非継続事業(2002年11月に分離したCATV事業部門のAT&T Broadbandなど)を含めると,前年同期は128億ドルの純損失を計上していた。

 同社は,売上高の減少について,長距離通話サービスの収入が落ちたことが要因としている。ただし,AT&T Consumer Services事業が提供する市内および長距離通話とのバンドル・サービスや,AT&T Business Services事業の一部の市場が好調だったため,落ち込みを部分的に相殺できた。

 事業別でみた場合,AT&T Business Services事業部門の売上高は前年同期比5.0%減の64億ドル。営業利益が5億9700万ドルで,営業利益率は9.3%だった。長距離通話の収入は前期と比べて10.9%減少した。市内通話の収入は前年同期比約39%成長した。市内通話回線数は合計で420万回線を超えた。

 AT&T Consumer Services事業部門の売上高は前年同期比18.4%減の24億ドル。営業利益は4億8900万ドルで,営業利益率は20.6%だった。競争激化と,顧客の廉価商品/プランへの移行が減収の要因だが,バンドル・サービスは好調だった。バンドル・サービスの収入は,前年同期と比べて約2倍に伸びており,同事業部門の全売上高のうち19%以上を占める。

 ちなみに米メディア(InformationWeek)の報道によると,AT&T社は今年中に全従業員の9%を削減する計画を進めているという。同社は今年前半で,約4100人を解雇しており,これは人員削減計画の2/3にあたる。

 「経済低迷と競争激化にも関わらずシェア拡大に努めたことと,厳しいコスト管理を実施したことが,当期の結果に反映されている」(AT&T社会長兼CEOのDavid W. Dorman氏)

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