米Apple Computerは,デジタル音楽ソフト「iTunes」のWindows対応版をリリースし,有料音楽配信サイト「iTunes Music Store」をMac OSとWindowsの両プラットフォームで利用可能にした。Apple社が米国時間10月16日に明らかにしたもの。

 Windowsユーザーは,Mac OSユーザーと同様に,iTunes Music Storeの音楽カタログ,個人使用権,1曲当り99セントの音楽ダウンロードを利用できる。Apple社によると,iTunes Music Storeは半年前のサービス開始以来,1300万曲以上を販売したという。5社の大手レコード会社と200以上のインディーズ・レーベルによる音楽カタログを抱えており,10月末までには40万曲以上を提供する予定である。また,今回新たに「Allowance」機能を追加した。親は子供のiTunes Music Store口座に毎月自動的に資金を預金することができる。

 Windows対応iTunesは,オーディオCDからのMP3およびAACエンコーディング,「Smart Playlist」,250以上の無料インターネット・ラジオ局,プレイリストのCDやMP3 CD記録など,Mac OS向けと同様の機能を提供する。音楽コレクション全体をDVDにバックアップ保存したり,「Rendezvous」ネットワーク技術を介してMac OSとWindowsの両プラットフォームで音楽を共有することが可能。

 Apple社CEOのSteve Jobs氏は,「iTunes for Windowsにより,何千万人もの音楽愛好家が,iTunes Music Storeを利用できるようになる」と述べた。

 Mac OS対応とWindows対応のiTunesは,Apple社のWebサイトから無償で入手可能。Mac OS版は「Mac OS X」バージョン10.1.5以降で,Windows対応版は「Windows XP」「同2000」で動作する。なお,iTunes Music Storeで楽曲を購入するには,請求先の住所が米国内にあるクレジット・カードが必要。

 また同社は,有料音楽配信サービスに関して,米AOL Time Warner傘下のAmerica Online(AOL),米PepsiCoの北米飲料水事業部門Pepsi-Cola North Americaとそれぞれ提携したことを明らかにした。

 AOL社との提携では,2003年第4四半期中に,米国在住のAOL会員が簡単にiTunes Music Storeへアクセスできるようにする。AOL社は音楽チャネル「AOL Music」に,iTunes Music Storeのアーティスト,アルバム,楽曲をへのリンクを組み込む。これにより,「AOL会員は音楽に関するニュースやレビューを閲覧しながら,iTunes Music Storeの特定のページに直接移動して,楽曲を試聴したり購入することができる」(Apple社)。

 Pepsi-Cola North America社とは,2004年2月1日~3月31日に共同プロモーションを実施する。「Pepsi」「Diet Pepsi」「Sierra Mist」の20オンス(約600cc)と1リットルのボトル1億本に当選コードの入ったキャップを付ける。この当選コードで,iTunes Music Storeが提供する楽曲から,1曲を無償で入手できる。

 さらに,Apple社と米Audibleは,iTunes Music Storeで利用可能な専用オーディオ・ブックおよび録音番組が2万時間を超えたと発表した。Audible社が提供する専用コンテンツには,ベストセラー小説や雑誌のオーディオ版,ラジオ番組,オリジナルのショー番組などがある。

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