米In-Stat/MDRが米国時間10月8日に,マネージド・セキュリティ・サービスの世界市場に関する調査結果を発表した。それによると,2002年における同市場の規模は160億ドルで,2007年には590億ドルに拡大するという。

 同社では,「こうした市場の拡大が,ハードウエアおよびソフトウエア・ベンダー,サービス・プロバイダ,伝統的通信企業,コンサルティング会社に大きな機会をもたらす」と予測する。「なかでも,すでに同市場と関係の深いWANアクセス・プロバイダが最も早く恩恵を得られるだろう」(同社)

 ただし,In-Stat/MDR社調査アナリストのJaclynn Anderson氏は,「WANアクセス・プロバイダは顧客の最も近くにいるが,この種の企業はセキュリティに関する知識が乏しい傾向がある」と指摘する。「この分野に最も精通しているのは,セキュリティを専門的に手がけている米Counterpane Internet Security,米Guardent,米Symantecといったベンダーだ。これらベンダーは市場の変化に素早く対応でき,ほかのマネージド・セキュリティ・サービス・プロバイダ(MSSP)よりも新しいタイプのセキュリティ機器を使ったサービスを提供している」(同氏)

 そのほかの主な調査結果は以下の通り。

・2001年に,マネージド・セキュリティ・サービス市場で最も規模が大きかった分野はセキュリティ・コンサルティングだった。2007年には,マネージド・セキュリティ・モニタリングが25億ドル規模で最大の分野になる。

・最近実施した調査によると,大企業はセキュリティ製品やサービスを2004年前半に購入する計画を立てている。

・セキュリティ・ソリューションを購入する理由は多岐にわたるが,最も多かった回答は企業責任に関する項目だった。

・金融,医療,政府機関におけるセキュリティ関連法規制が同市場を牽引する。

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