米AT&T Wirelessは米国時間7月23日,北米における商用W-CDMAネットワークの構築に向けて,カナダのNortel NetworksおよびスウェーデンのEricssonと提携関係に入ったことを明らかにした。

 AT&T Wireless社は昨年12月,NTTドコモと協力して2004年末までに米国内の4市場で,W-CDMA技術を使ったサービスを提供すると発表している。今回の2社との提携は,W-CDMA方式の第3世代(3G)サービスの提供に必要な機器を購入するためのものである。

 W-CDMA向け機器は1900MHz帯で動作し,AT&T Wireless社がGPRSやEDGEネットワーク上で音声/データ・サービスを提供する際に使用しているのと同じコア機器を使用する。W-CDMAネットワークによって,高速VPN接続,オーディオ/ビデオ・アプリケーション,ロケーション・ベースの優れたmコマース機能などに対応できるようになるという。

 AT&T Wireless社3G Program Management部門担当副社長のEric Updyke氏は,「米国初の商用W-CDMAネットワークの構築は,当社のEDGEネットワークを補完するだけでなく,競合他社との差異化にもつながる」(同氏)と語った。

 また,Ericsson社執行担当副社長兼ジェネラル・マネージャのToby Seay氏は「当社とAT&T Wireless社は昨年12月,世界で初めて1900MHzのUMTSネットワークをデモ用に構築し,商用3Gサービスに必要な多くの事柄を学んだ。その蓄積したノウハウを使って,AT&T Wireless社の3Gサービス提供を支援する」と述べた。

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