米EDSの子会社であるA.T. Kearney社は,第3世代(3G)携帯電話サービスに対する消費者の認識についての調査結果を米国時間9月5日,発表した。それによると,61%の携帯電話ユーザーが3G携帯電話機の機能について知っているものの,3G携帯電話機にアップグレードするという回答者はわずか29%だった。

 「キャンペーンにより3Gサービスの認知度は向上しているが,費用対効果を考えた場合にメリットがあるかどうかは,ほとんどの消費者にとってまだ謎である」(A.T. Kearney社)

 調査はA.T. Kearney社が英ケンブリッジ大学Judge Instituteと協力し,15カ国にわたる6000人の携帯電話ユーザーを対象に実施したもの。

 「70%の回答者は携帯電話機でインターネットにアクセスしたことがない。まだ料金とコンテンツが十分魅力的とはいえないからだ。ユーザーは,既存の技術を使ったモバイル・インターネット・サービスを試す気にならなければ,次世代技術を用いたマルチメディア・サービスに移行することもないだろう」(A.T. Kearney社副社長のL. C. Mitchell氏)

 主な調査結果は以下の通り。

・36%の回答者は,3Gへのアップグレードをためらう理由として「コスト」を最大の理由に挙げた。別の36%は「必要性がない」または「技術的メリットが分からない」と答えた。

・3Gの三つの特徴の中で「既存情報やデータ・サービスへの高速接続」を最も魅力的だと答えた割合は45%。「画像やビデオの送受信」は34%,「音楽のダウンロード」は21%だった。

・40%の携帯電話ユーザーは,モバイル広告を受信した経験がある。しかし,その広告がきっかけで商品を購入したユーザーはわずか1%だった。

・19~34才の携帯電話ユーザーの半数以上が,1日に1回以上ショート・メッセージング・サービス(SMS)を利用している。SMSの普及率は世界中ほとんどの地域で50~75%に達している。

・過去半年間で,インターネット接続機能を備えた携帯電話機を所有するユーザーは25%増加した。しかし,携帯電話機を使ってインターネットに接続する割合は,20%減少している。

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