NTTドコモ,スウェーデンのEricsson,フィンランドのNokia,ドイツのSiemens AGが,W-CDMA向け必須特許のライセンス料算定方式に関して合意に達した。Nokia社が現地時間11月6日に明らかにしたもの。各社はそれぞれが所有する必須特許の件数に応じてライセンス料を算定することで,累積ロイヤルティ・レートを5%程度に抑えるという。

 「この方式は,W-CDMA技術に関する特許を持つすべての企業にとって,公平かつ適切なロイヤルティ・レートを設定する基準となる」(Nokia社)。また,4社はCDMA2000標準に応用可能な必須特許を多く持っているが,Nokia社は「これらについても公平かつ適切な条件でライセンス供与する」としている。

 なお,必須特許を所有する富士通,松下通信工業,三菱電機,NEC,ソニーといった日本企業も協力する意向を表明したという。

 「この取り組みにより,W-CDMAの累積ロイヤルティ・レートは健全なレベルを保てる。たとえば,最近中国でのW-CDMA導入では,当社が事前に目標としていた5%をやや下回っているようだ。その結果,通信事業者,メーカー,アプリケーション開発者にとって,W-CDMAは安全な投資対象となる」(Nokia社上級副社長のYrjo Neuvo氏)

 またEricsson社マーケティング&戦略ビジネス開発担当上級副社長のTorbjorn Nilsson氏は「この方式の影響で,累積ロイヤルティの額はGSMよりW-CDMAの方が安くなる」とみる。

 「この取り組みには,累積ロイヤルティ・レートを5%未満に抑えることでW-CDMA対応サービスを発展させる,という意義がある。適切なロイヤルティ・レートで必須特許をライセンス供与する方法について,3G Patent Platform Partnership(3G3P)のなかで話し合ってきた。今回の合意の方向性は,この3G3Pの活動とうまく一致するはずだ」(NTTドコモ上級副社長のKota Kinoshita氏)

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