米Hewlett-Packard(HP)は,同社のリサイクル活動「Planet Partners」の範囲を広げ,欧州各国の一般消費者のインクジェット・プリンタ用カートリッジも回収対象にする。同社がドイツで現地時間7月4日に発表したもの。まずドイツ,オーストリア,スイスで2003年末までに回収活動を開始し,2004年には英国,アイルランドなどでも運用を始める予定。

 この取り組みは,同社が企業顧客向けに欧州で実施しているインクジェット・プリンタ用カートリッジ回収プログラムを拡大するもの。これにより同社は,家庭オフィスや一般家庭からリサイクル用に回収できるカートリッジの数が,2005年にはドイツで約400万個,英国では約250万個になると見込む。

 同社は欧州内にあるリサイクル工場で回収したカートリッジを洗浄/分解し,プラスチックと金属素材を回収して新製品用の材料として再利用する。

 HP社欧州/中東/アフリカ地域サプライ担当副社長兼ジェネラル・マネージャのKim Holm氏は,「当社の環境に対する取り組みは,製品リサイクルや埋め立て廃棄物の最小化だけにとどまるものではない」と述べる。「製品の開発/設計,製造/配送の全工程から,利用段階を経て最終的な回収/リサイクルまで,製品ライフサイクル全体のあらゆる面を注意深く連携させている」(同氏)

 なお回収手順やリサイクル作業への参加ガイドラインの詳細については,運用開始前に公表するとしている。

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