米Hewlett-Packardは,不用になったパソコン関連機器のリサイクルを促進する取り組み「HP Planet Partners e-Coupon」を開始した。HP社が米国時間2月6日に明らかにしたもの。米国内のみを対象として,実施期間は2003年4月30日までとする。

 HP Planet Partners e-Couponでは,HP社のオンライン・ストアで製品を購入した顧客に対し,不用なハードウエアの引き取る際に最大50ドルを払い戻す。HP社製品だけでなく,他社製品も引き取りの対象とする。

 HP社パーソナル・システム・グループ北米コンシューマ・コンピューティング部門担当副社長のSam Szteinbaum氏は,「HP Planet Partner e-Couponは関係者全員にメリットがある」と述べる。「埋立地に送るパソコンを1台でも減らすことで環境保護に役立ち,消費者は当社のオンライン・ストアで新製品を購入するときにお金を節約できる」(同氏)

 同社はカナダのNorandaと戦略的提携を結び,カリフォルニア州ローズビルとテネシー州ナッシュビルの工場でリサイクル処理を行う。工場ではパソコンなどを粉々に分解して,金属やプラスチックを回収する。

 ちなみにHP社は発表のなかで,シリコンバレーにおけるパソコン関連有害物質の問題に取り組む環境保護団体Silicon Valley Toxics Coalition(SVTC)のコメントを引用している。それによると,「2004年までに3億1500万台のパソコンが時代遅れになってしまうが,消費者や企業にとって環境面で信頼できるリサイクル手段はほとんどない」(SVTC)という。

 なお米メディアの報道(CNET News.com)によると,HP社では商品を60ドル以上購入した顧客に対して払い戻しを行うという。払い戻し額は機器の種類によって異なり,パソコン本体/スキャナ/PDA/インクジェット・プリンタは20ドル,モニター/レーザー・プリンタは30ドル,モニター付きパソコンは50ドルとなる。

 米Dell Computerも同様のリサイクル・サービスを行っており,同社のソフトウエア/周辺機器ストアで使える10%割引クーポン券を顧客に提供するという。

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