カナダのCorelは現地時間6月27日に,2003会計年度第2四半期(2003年3月~5月期)の決算を発表した。売上高は3220万ドルで,前期の2830万ドルから増収。しかし,純損失は560万ドル(1株当たり損失は6セント)で,前期の57万4000ドル(同1セント)から赤字を拡大した。なお,前年同期の売上高は3080万ドル,純損失は630万ドル(同7セント)だった。

 「2003年3月~5月期は,オフィス・スイート『WordPerfect Office 11』のリリースにより売上高がわずかに増加した。意義有る増収は今後も当社にとって課題となる。特に,成熟市場における収入低下をXMLベースの新技術による収入で補うことに注力する」(Corel社社長兼CEOのDerek Burney氏)

 事業別でみた場合,グラフィックス製品事業の売上高は1400万ドルで前年同期の1650万ドルから15.6%減少した。前期の1530万ドルからは8.6%の減収となる。

 オフィス製品事業の売上高は1500万ドルで,前年同期の1120万ドルと比べて33%増加した。前期の900万ドルからは66.6%もの成長である。

 プロセス管理製品事業の売上高は220万ドルで前年同期の250万ドルから11.2%減少,前期の230万ドルからも減収となった。

 XML製品事業の売上高は45万6000ドルで前年同期の31万1000ドルから46.6%増加。しかし,前期の110万ドルからは60%も落ち込んだ。

 地域別でみた場合,北米の売上高は2050万ドルで前年同期の1630万ドルから25.7%増加,前期の1280万ドルから59.7%成長した。欧州/中東/アフリカ(EMEA)の売上高は740万ドルで,ともに960万ドルだった前年同期と前期から約23%減少した。アジア太平洋や中南米を含むその他の地域は,売上高が180万ドルで前年同期の280万ドルから34%減少,前期の340万ドルと比べて46%落ち込んだ。

 OEM契約による収入は260万ドル。前年同期の210万ドルと比べて19.6%増加,前期からは横ばいとなった。

 また同社は,全従業員の約9%にあたる66人を解雇したことを明らかにした。この人員整理について,Burney氏は「2003年3月~5月期の業績が予測を下回ったが,これまで通り,2003年中の黒字回復を果たすためのコスト削減策」と説明した。

◎関連記事
加Corelが2003年1Q決算発表, 2830万ドルの売上高,純損失が57万4000ドル
加Corelを米Vector Capitalが買収へ
加Corel,北米で「WordPerfect Office 11」の販売を開始
加Corel,Tablet PC専用グラフィックス・アプリケーション「Corel Grafigo」を無償提供
MicrosoftがCorelへの投資で1億ドル損失
米MSが次期Officeの提供形態を明らかに
Office 2003にもユーザー囲い込みの「陰謀」説
OASIS,オフィス・アプリのXML標準フォーマットを検討する技術委員会を設置

[発表資料へ]