カナダのCorel社は2003年会計年度の第1四半期(2002年12月から2003年2月末)の決算報告を現地時間3月27日に発表した。

 同期の売上高は2830万ドル,純損失が57万4000ドル,1株当たりの損失は1セントだった。前期の売上高は3350万ドル,純損失は2780万ドル,1株当たりの損失は30セントだった。純損失には,リストラと建物の使用に関連した費用が590万ドル,技術と営業権の無形資産の減価償却額1720万ドルが含まれる。また,前年同期の売上高は,3120万ドルで純損失が310万ドルだったで1株当たりの損失は4セントだった。(※通貨の単位はすべて米ドル)。

 同期における現金,現金等価の短期投資と引出条件付き現金の合計は,前期の7730万ドルから430万ドル減の7300万ドルだった。減少した要因として,マイナス58万ドルのEBITDA(利子,税金,減価償却費控除前利益)が挙げられている。

 「同四半期は,経費削減と内部事業の改良により進歩がみられた。従業員数を1年前から20%削減したため,短期間で効率よく新製品を市場に投入できた。市場は『WordPerfect Office』の新版のリリースを控えて,同ソリューションの売り上げが低下した」(同社社長兼CEOのDerek Burney氏)

 地域別にみると,北米市場の売上高は,前期の1860万ドルから31%減の1280万ドルだった。これは,「WordPerfect Office」の新版のリリースを控えて,同ソリューションの売り上げが低下したことが要因として挙げられている。前年同期の1560万ドルからは18%減少している。欧州,中東,アフリカ地域は,前期の1140万ドルから16%減少して960万ドルだった。これは,価格競争の圧力と欧州の主要市場の低迷が要因となっている。前年同期の1040万ドルからは8%減少となっている。

 OEM契約からの売上高は,前期から59%増加して260万ドルを計上した。同期のOEM売上高は,前年同期の200万ドルから27%増加している。

 同社は,来期以降の明確な予測を提示していないが,同年中にEBITDAを黒字に持ち込めると見込んでいる。

 「新しい技術への投資,企業顧客への製品提供に向けたパートナーシップの構築を通して,長期間に渡り繰り返し収益を生成する流れの基盤を作って,2003年中に業績を黒字に戻すことを目標にしたい」(同氏)

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